阿波踊りで有名な「阿波弁」は徳島県の方言です。もともとは「阿波国」があったことから阿波弁と呼ばれています。
徳島県には、阿波弁の他に徳島弁もあります。
阿波弁はかわいい方言としても評判ですが、意外と方言の内容までは知らない人もいるのではないでしょうか?
独特のなまりがあり語尾を伸ばす柔らかい阿波弁の話し方は、一度聞いたら虜になってしまうはず!
この記事では、阿波弁の魅力をたっぷりお届けします。
この記事で分かること
- 阿波弁の特徴
- 阿波弁一覧
- 阿波弁の挨拶
- 面白い阿波弁
気になる阿波弁がありましたら、ぜひ覚えて使ってみてくださいね!
目次
1.阿波弁の特徴
阿波弁の特徴は「標準語に比べて抑揚がある」「独特のアクセント」「語尾の種類」などがあります。
標準語に比べて抑揚がある阿波弁は、柔らかい雰囲気がありとてもかわいらしいです。また、独特な訛りが温かみを感じさせます。
阿波弁の定番の語尾は下記のようなものがありますよ!
阿波弁の語尾 | 意味 |
~けん | だけど・~だから |
~じゃ | ~だ・~です |
~じょ | ~だ・~です |
~られん | ~してはいけない |
~や | ~だよ・~ですよ |
~んずく | ~しないままで |
語尾は「じゃー」「やー」など伸ばして使われることが多いです。女性が使うことで、よりかわいらしい印象を与えますよ。
1−1.阿波弁怖い
かわいらしい方言が多い阿波弁ですが、喧嘩の時に使われるような「怖い方言」もあります。
- ちょんでえは「言ってるんじゃないか」という意味の阿波弁です。「だから、さっきからちょんでえ!」と強い主張をしたい時に使われます。
- ざっとしとるは、「いいかげんな」という意味で使われる阿波弁です。「ざっとしとる人は一緒に働きたくない」のように使われます。
どちらも自分に向けて言われると、ドキッとしてしまう方言ですね。
1−2.阿波弁汚い
阿波弁は難しい方言も多く、聞いただけでは分からない言葉も沢山あります。中には、イントネーションが独特で「ちょっと汚いかも?」と感じるような方言もあります。
意味を理解することで親近感が湧き、逆に魅力に感じられるでしょう!
- うきゃーたいは、「かっこ悪い」という意味の阿波弁です。否定的な意味で、特徴的なイントネーションから汚いと思う人もいるかもしれません。
- きゃいがは、「超」「とても」など強調する時に使う阿波弁です。馴染みがない言葉に騒がしく感じる人もいるでしょう。
1−3.阿波弁関西弁の違い
近畿や大阪と近くにある徳島県は、古くから関わりがあるため言葉の面でも強く影響を受けています。
阿波弁は関西弁の影響を受けているため、イントネーションが似ていると言われています。
しかし、阿波弁と関西弁は「語尾に使われる言葉」が違うため、会話をするとすぐに別の方言だということに気づきますよ!
たとえば、関西弁では「~やん」「やんか」などよく聞きますが、阿波弁は「~けん」「~じょ」などが定番です。
否定も関西弁は「~へん」、阿波弁は「~れん」と違いがあります。
1−4.阿波弁徳島弁の違い
冒頭でもお話しした通り、徳島県には「阿波弁」と「徳島弁」の2種類があります。
- 兵庫県の淡路島に近い地域で使われる方言が「徳島弁」
- 高知県に近い地域で使われる方言が「阿波弁」
と呼ばれていますよ。
1−5.阿波弁じょ使い方
阿波弁の定番の方言に「じょ」があります。
「じょ」は言葉の語尾につけられる方言で、「~だ」「~です」という意味で使われます。
「ここが徳島県で有名な鳴門の渦潮じょ」のように話されますよ!
実は、徳島県には男女で使われる語尾が下記のように異なります。
- じょ……女性によく使われる
- じゃ……男性によく使われる
つまり、告白も男女によって違います。とっても面白いですよね。
女性「好きなんじょ!付き合ってください!」
男性「あなたのこと、ずっと好きなんじゃ。」
2.阿波弁一覧
阿波弁の単語 | 意味 |
あずる | てこずる |
いごいご | そわそわする (落ち着きがない状態) |
いぬ | 帰る |
おっきょい | 大きい |
かんまん | かまわない |
けんど | けれど しかし |
せこい | 疲れている 具合が悪い |
しゃんしゃん | すばやく さっさと |
しわしわ | ゆっくり |
たっすい | くだらない |
つまえる | 片づける |
てれこ | 逆さま ちぐはぐ |
どないしょん? | どうしたの? |
ほなけん | だから |
ほーえー | そうなんだ |
もんた | 戻る 帰る |
やー | あげる |
2−1.あずる
「てこずる」という意味の阿波弁です。
大塚国際美術館への行き方が分からなくてあずったよ~!
(大塚国際美術館への行き方が分からなくててこずったよ~!)
2−2.いごいご
「そわそわする(落ち着きがない状態)」という意味の阿波弁です。
聞いただけで、そわそわした雰囲気が伝わってきそうですね。
図書館ではいごいごしないで、じっと座りなさい!
(図書館ではそわそわしないで、じっと座りなさい!)
2−3.いぬ
「帰る」という意味の阿波弁です。
明後日には、東京の家にいぬよー。
(明後日には、東京の家に帰るよー。)
2−4.おっきょい
「大きい」という意味の阿波弁です。
反対に、小さいは「こまい」といいますよ!
写真撮影をするからおっきょい人は、後ろに並んでね。
(写真撮影をするから大きい人は、後ろに並んでね。)
2−5.かんまん
「かまわない」という意味の阿波弁です。
そのくらい、かまわんけん!気にしないでね。
(そのくらい、かまわないから!気にしないでね。)
2−6.けんど
「けれど」「しかし」という意味の阿波弁です。
寝坊したけんど、学校にはどうにか間に合った。
(寝坊したけれど、学校にはどうにか間に合った。)
2−7.せこい
「疲れている」「具合が悪い」という意味の阿波弁です。
標準語のケチという意味とは異なります。
阿波踊りの練習を3時間も行ってせこい。
(阿波踊りの練習を3時間も行って疲れている。)
2−8.しゃんしゃん
「すばやく」「さっさと」という意味の阿波弁です。
急かすような方言ですが、可愛らしい発音に癒されます。
しゃんしゃん準備して、轟の滝に行くよ!
(さっさと準備して、轟の滝に行くよ!)
2−9.しわしわ
「ゆっくり」という意味の阿波弁です。
ほっこりするような方言で、つい使いたくなります。
夜は暗いから、阿波踊りの会場までしわしわおいで。
(夜は暗いから、阿波踊りの会場までゆっくりおいで。)
2−10.たっすい
「くだらない」という意味の阿波弁です。
新しい担任の一発ギャグたっすかったなぁ……
(新しい担任の一発ギャグくだらなかったなぁ……)
2−11.つまえる
「片づける」という意味の阿波弁です。
ここの花の図鑑つまえといて!
(ここの花の図鑑片づけておいて!)
2−12.てれこ
「逆さま」「ちぐはぐ」という意味の阿波弁です。
関西でも使われることがありますよ!
手袋てれこになってるよ?
(手袋逆さまになってるよ?)
2−13.どないしょん?
「どうしたの?」という意味の阿波弁です。
そんなに汗だくになって、どないしょん?
(そんなに汗だくになって、どうしたの?)
2−14.ほなけん
「だから」という意味の阿波弁です。
ほなけん明日の中間テストはなくなったんだって!
(だから明日の中間テストはなくなったんだって!)
2−15.ほーえー
「そうなんだ」という意味の阿波弁です。
「シロクマって左利きなんだって」「ほーえー」
(「シロクマって左利きなんだって」「そうなんだ」)
2−16.もんた
「戻る」「帰る」という意味の阿波弁です。
眉山ロープウェイから夜景を楽しんだので家にもんた。
(眉山ロープウェイから夜景を楽しんだので家に帰る。)
2−17.やー
「あげる」という意味の阿波弁です。
竹ちくわやー!よかったらどうぞ。
(竹あげる!よかったらどうぞ。)
3.阿波弁の挨拶
阿波弁らしい挨拶には「えっとぶり」と「どちらいか」があります。
- えっとぶりとは「久しぶり」という意味で、しばらく会わなかった人と再会した時に使われる方言です。えっとには「長い間」という意味があります。
- どちらいかとは「どういたしまして」の意味の阿波弁です。丁寧な言葉なので、進んで使うと喜ばれるでしょう!
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4.面白い阿波弁
阿波弁には、標準語からは理解できないような「面白い方言」があります。
ここでは3つに厳選してご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
4−1.あるでないで
「あるでしょう」という意味の阿波弁です。
あるでないでと聞くと「え?あるの?ないの?」と混乱してしまいますよね。
「買ってきたフィッシュカツがない~!」「キッチンのテーブルの上にあるでないで。」
上記のように使われます。徳島県で物を失くした時のために、覚えておくと便利です!
4−2.まけまけいっぱい
「容器に液体をギリギリにいれた状態」を意味する阿波弁です。
コップに飲み物をいれてなみなみになっているようなイメージです。
「お風呂の水、まけまけいっぱいじゃん!」「すだちジュースまけまけいっぱい入れて!」のように使われますよ。
4−3.きゃっきゃっがくる
「イライラする」という意味の阿波弁。
楽しそうな様子かと思いきや、意外とネガティブな意味の方言です。
「渋滞が進まなくて、きゃっきゃっがくるわ~」「パソコンが上手く動作しなくて、きゃっきゃっがくる!」のように使われます。
5.阿波弁一覧まとめ
阿波弁の定番の方言から面白い方言まで、ご紹介しました。
知れば知るほど、魅力的な「阿波弁」をぜひマスターして使ってみてくださいね。
徳島県に行った際はぜひ生の阿波弁をご堪能ください。
ほーん、ごっついオモロイやん!ウチが知らん阿波弁、ごっつうあっておもろかったわ!こういうんもっとあったらええのになあ。