岡山弁は、お笑いコンビ「千鳥」のお二人のように、ヤンキー風で少し荒っぽい印象の方言ですよね。
でも、気候が穏やかで、年間と通して雨の日が少ないことで知られている岡山県は、明るく温和な人が多いと言われています。
このギャップが面白い岡山弁を、岡山弁一覧にしてご紹介します。
岡山弁には、「こうばい」「もんげー」「ぼっけー」「でーれー」「ぶち」など、「すごい、ものすごい」を表す言葉が豊富にあって面白いですね。
また、岡山弁では「なげー(長い)」「そねーなこと(そんなこと)」など、語中や語尾を伸ばす言い方をよくします。
この言い方が「ヤンキーに絡まれているみたいで怖い」と思われ、岡山弁=怖いというイメージになっている可能性も。
そして、千鳥が全国区にした「~じゃ」や、「~ょーる」など、語尾、文末表現にも特徴があり、それが岡山弁の魅力にもなっています。
この岡山弁一覧の記事で分かること
- よく使われる岡山弁の意味と使い方
- 岡山弁の特徴的な語尾
50音順の岡山弁一覧になっていますので、気になる単語から見ることも可能です!
目次
岡山弁あ行一覧
岡山弁単語 | 意味 |
あんご、あんごー | 馬鹿、馬鹿者 |
いぬる | 帰る |
いごいごする | うろちょろする |
うつる | 似合う |
おえん | いけない、駄目 |
あんご、あんごー
岡山弁で「馬鹿者」という意味です。
本当に怒っている場合には、強調の「おお」をつけて「おおあんごー」と言います。
「てめぇはあんごうか!」
(お前は馬鹿か!)
いぬる
「犬」にまつわる言葉かと思いきや、「(家に)帰る」という意味の岡山弁です。
語尾は以下のように変化します。これは他県民には理解がちょっと難しいかも…。
- 「帰ろう」 → 「いのーや」
- 「帰るよ」 → 「いぬるなー、いぬらーよー」
- 「帰りなさい」 → 「いねー」
- 「帰った」 → 「いんだ」
「日が暮れてきたけぇ、はよーいねー」
(日が暮れてきたから、早く帰りなさい。)
いごいごする
「うろちょろする」を岡山弁では「いごいごする」と言います。
なんとなくそわそわして、落ち着きのない様子が思い浮かび面白いですね。
背中がむずがゆいときにも使いますよ。
標準語の「動く」を岡山弁では「いごく」と言うので、ここから来ている言葉のようです。
「あぶねえけえ、いごいごせんの!」
(危ないから、うろちょろしないの!)
うつる
「うつる」というと「写真にうつる」「風邪がうつる」などが思い浮かびますが、岡山弁では「似合っている」という意味になります。
「その服、よーうつっとるなー」
(その服、よく似合っているね)
おえん
「おえん」は、「いけない」「駄目」という意味の岡山弁です。
「駄目だろう」は「おえまー」と言います。
「これ、こうて」 (これ、買って)
「おえんおえん」 (だめだめ)
岡山弁か行一覧
岡山弁単語 | 意味 |
がっそう | 髪や髭が伸びてしまった状態 |
かばち | 文句、口ごたえ |
ぐしー | 緩い(ゆるい)、要領が悪い |
くつわいー | くすぐったい、こそばゆい |
けっぱんずく | 躓く(つまずく) |
こうばいく | その通り |
がっそう
髪や髭が伸びてしまった様子を表す岡山弁です。
髪がボサボサの状態、草が一面に生い茂っている様子などを表すときには「おおがっそう」という言葉を使います。
前述した「おおあんごー」と同様、岡山弁では、強調するときに頭に「おお」を付けることが多いようですね。
「がっそうなっとるけぇ、髪切りに行かにゃあ」
(髪が伸びてしまったから、切りに行かなくては)
かばち
岡山弁で「文句」「口ごたえ」の意味があり、屁理屈ばかりいう人のことを「かばちたれ」と言います。
「言う」「きく」「つく」「たたく」など、「かばち」の後に続く動詞が様々なのも面白いですね。
「そげぇかばちばぁ言うな」
(そんな文句ばかり言うんじゃない)
ぐしー
「ぐしー」は結び目やゴム、帯などが緩い様子や、「どんくさい」「情けない」などの意味がある岡山弁です。
「おめぇはぐしーけぇのお」
(お前はどんくさいからなぁ)
くつわいー
「くすぐったい」と言う意味の岡山弁です。
蚊に刺された時のむずがゆさを表現するときにも使います。
ちなみに「くすぐる」は「くつわす(くつわかす)」と言います。
同じ意味で「こそばいー」「こそばす(こそばかす)」があります。
「蚊に刺されて、くつわいーわ」
(蚊に刺されて、痒いよ)
けっぱんずく
標準語の「躓く(つまずく)」を、岡山弁では「けっぱんずく」と言います。
なんだか勢いよく躓く様子が想像できて面白いですよね。
「もっとでけっぱんずきょーった」
(もう少しでつまずくところだった)
こうばい
岡山県の方言で日常会話でよく使う方言です。
「こうばい」の岡山弁は多様性のある岡山の方言です。
- その通り
- そうだよ!
「こうばい!」
(その通り)
岡山弁さ行一覧
岡山弁単語 | 意味 |
しねー | しなさい |
すける | 置く、乗せておく |
すばろうしい | 不景気な、憂鬱な |
ぞんぞがつく、する、立つ | ゾッとする |
しねー
岡山弁では、例えば手順がわからずもたもたしている人に「はよしねー」と言ったりします。
県外の人が言われたらきっとショックを受けるでしょう。
知らない人が聞くと恐ろしい「しねー」は、標準語の「しなさい」を丁寧に表現した岡山弁です。
誤解を生みやすい言葉なので、覚えておいて損はないですね。
地域によっては「せられねー」と言います。
「ぐずぐずせんと、はよしねー」
(ぐずぐずしないで、早くしてくださいね)
すける
岡山弁で「すける」は、「置く」「乗せておく」の意味です。
単に置くのではなく、何かの上にちょこんと置いておくというニュアンスがあります。
「置いていない、乗せていない」は「すかっとらん」と言います。
標準語の「スカッとする」に似ているので、会話に紛れ込むと意味を取り違える危険性がありますね。
「そりょーテーブルの上にすけといて」
(それをテーブルの上に置いておいて)
すばろうしい
「貧相な、不機嫌な、憂鬱な」などネガティブな状態を表す岡山弁です。
標準語の「すばらしい」と似ていますが、意味が真逆なので覚えておきましょう!
「そねぇにすばろうしい顔をすな」
(そんなに不機嫌な顔をするな)
ぞんぞがつく、ぞんぞがする、ぞんぞが立つ
標準語の「鳥肌が立つ」「寒気がする」「ゾクゾクする」などを表す言葉で、何となくニュアンスがイメージできる岡山弁ですね。
発熱して悪寒がするときには「ぞんぞんする」と言ったりもします。
「あの映画はぼっけぇきょーとうて、ぞんぞが立ったよ」
(あの映画はとても怖くて、鳥肌が立ったよ)
岡山弁た行一覧
岡山弁単語 | 意味 |
ちばける | ふざける |
チャラ書き | 字を雑に書くこと、殴り書き、走り書き |
でーれー | すごい、ものすごい |
とらげる | 片付ける |
ちばける
岡山弁で「ふざける」という意味で、「ちゃーける」とも言います。
「ちばけんな!」は、「千葉県な!」ではなく「ふざけるな!」の意味です。
「あいつはいつもちばけとってうるせー」
(あいつはいつもふざけていて、うるさい)
チャラ書き
字を雑に書くこと、殴り書き、走り書きで読みにくい字のことを岡山弁で「チャラ書き」と言います。
「チャラ」は適当、でたらめ、いい加減の意味で、「ちゃらんぽらん」「チャラい」の語源にもなった言葉です。
「そねーなチャラ書きのメモでは、読めんよ」
(そんな走り書きのメモでは、読めないよ)
でーれー
「すごい、ものすごい」状態を表す岡山弁で、元の言葉は「どえらい」。
岡山弁を代表する言葉の一つで、よく知られていますよね。
「でーれー寒いのう」
(とても寒いね)
とらげる
「片付ける」という意味の岡山弁です。
「掃除する」「整理整頓する」というよりも、引き出しなどに「しまう」の方がニュアンスは近い気がします。
洗濯物や布団には「とらげる」を使いますね。
「こりょーそけーとらげてーて」
(これをそこにしまっておいて)
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岡山弁な行一覧
岡山弁単語 | 意味 |
なんしょん | 何をしているの? |
にがる | お腹が苦しく痛い |
のせる | (傘に)入れる |
なんしょん
「何をしているの?」という意味の岡山弁です。
「え?」という疑問の呼びかけが入ると、「は?なんしょん?」となり、ヤンキーに絡まれた気持ちになりますね。
語尾に強調の「なら」がつくと、怒りを込めたニュアンスになり、さらに危機感が漂います。
おめいら、なんしょんならー!
(てめーら、何をしてるんだゴルァ!)
にがる
お腹が苦しいとき、痛い時に使う岡山弁です。
ちなみに「おろ」で「痛みが弱くなる」の意味です。
「腹がにがりょーんがおろーなった」
(お腹が痛かったのが良くなってきた)
のせる
岡山弁では、傘に入れることを「(傘へ)のせる」、「傘に入る」のは「(傘へ)のる」と言います。
「傘にのせて」と突然言われたら、思わず人が傘の上に乗る様子を想像して、面白い気持ちになってしまうかも。
「かせーのせてー」
(傘に入れてー)
岡山弁は行一覧
岡山弁単語 | 意味 |
ばんこしゅえー | すごくヤバい |
ふうがわりい | 世間体が悪い、恥ずかしい |
ぶち | とても、すごく |
ぼっけぇ | とても、ものすごく |
ばんこしゅえー
「ばんこしゅえー」は岡山弁というよりもヤンキーが使う言葉という印象です。
「ばんこ」は「すごい」でわかるとして、「しゅえー」は、ヤバい(もの全般)というニュアンスで、その場に応じて色々に使える便利で面白い言葉ですね。
「ばんこしゅえー」
(くそだりー、ヤバすぎる etc…)
ふうがわりい
「ふう」は「世間体」、それが「わりー(悪い)」ということで、「世間体が悪い」「みっともない」「恥ずかしい」という意味の岡山弁です。
標準語の「風変わり」と間違えてしまいそうですよね。
「仕事もせんでぶらぶらしとるなんてふうがわりい」
(仕事もしないでぶらぶらしているなんで世間体が悪い)
ぶち
岡山弁としてよく知られている「ぶち」は強調を表します。
標準語での「超」のようなニュアンスでしょうか。
動詞の前につけると、危険度がアップしてかなり乱暴に聞こえる言い方になりますよ。
- ぶちまわす → ぶちのめす
- ぶちくらわす → ボコボコにする
- ぶちめぐ → ぶち壊す
「おめぇぶちえらそうじゃね」
(大丈夫?体しんどいの?)
ぼっけぇ
岩井志麻子さんの小説『ぼっけえ、きょうてえ』で広く知られた岡山弁です。
ただでさえヤンキー風な岡山弁ですから、「ぼけ」と言われているのかな、と感じる人もいるかもしれませんが「とても、ものすごく」という意味ですね。
「ぼっけぇあちーな」
(ものすごく暑いな)
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岡山弁ま行一覧
岡山弁単語 | 意味 |
まける | こぼれる |
めぐ、めがす | 壊す、壊れる |
みてる | なくなる、尽きる |
もんげー | どえらい、ものすごい |
まける
岡山弁で「まける」とは、「勝つ/負ける」ではなく「こぼれる」という意味で使います。
「ビールがまけーてしもーたわ」
(ビールがこぼれてしまったよ)
めぐ、めがす
「壊す」は「めぐ」、「壊れる」は「めがす」と表現するのが岡山弁です。
「壊れた、壊れてしまった」は「めげた」と言うので、標準語の「心が折れる」と間違いそうですね。
「今度はめがんよう、気ぃつけてね」
(今度は壊さないように気をつけてね)
みてる
岡山弁で「みてる」は「なくなる」という意味で、他県民に理解されることが難しい言葉の一つです。
「お米がみてる」「お醤油がみてる」なんて、岡山弁を知らなければホラーですよね。
「シャンプーがみてたから、買いに行かにゃーおえん」
(シャンプーがなくなってしまったから、買いに行かないといけない)
もんげー
主に高齢者が使用し、若者はあまり使っていなかった言葉のようですが、アニメのセリフで登場したことから有名になった岡山弁ですね。
岡山弁は強調を表す言葉が本当に多くて面白いですね。
「台風じゃけぇもんげー風が吹くんじゃって」
(台風だからものすごい風が吹くんだって)
岡山弁や行一覧
岡山弁単語 | 意味 |
やっちもねー | しょうもない、つまらない |
ゆーに、ゆうに | ゆっくりと |
やっちもねー
「くだらない」「ろくでもない」という意味の岡山弁です。
「あいつはやっちもねえことばー言よーる」
(あいつはろくでもないことばかり言っている)
ゆーに、ゆうに
「ゆっくりと」という意味の岡山弁です。
「のんびりする」「リラックスする」というニュアンスが込められています。
「病み上がりじゃけぇゆうにしとかれー」
(病み上がりだから、ゆっくりしておきなさい)
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岡山弁ら行、わ行一覧
岡山弁 | 意味 |
らく | 問題ないこと、差し使えないこと |
わや | めちゃくちゃ |
らく
「時間的に余裕があること」を表す岡山弁です。
日常会話での「大丈夫」に近い使われ方をします。
「らくな時に見てーてくれたらええよ」
(時間がある時に見てくれたらいいよ)
わや
日本各地で使われている「わや」ですが、岡山弁では「めちゃくちゃ」という意味です。
「わやくそ」「わやくちゃ」とも言います。
「暑うなったり寒うなったり今年の天気はわやじゃなぁ」
(暑くなったり寒くなったり、今年の天気はめちゃくちゃだな」
岡山弁の特徴的な語尾一覧
岡山弁語尾 | 意味 |
~じゃ | ~だ |
~ょーる | (動詞の後につけて)~している |
~じゃ
「〜じゃ」はお笑い芸人「千鳥」のおかげで全国区になった岡山弁の象徴的な語尾です。
「クセがすごいんじゃ」
(くせがすごいんだ)
~ょーる
動詞の後につけて、動作の現在進行形「~している」を表す岡山弁の語尾です。
- きょーる → 来ている
- みょーる → 見ている
- たびょーる → 食べている
「何しょーるの?」
(何しているの?)
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千鳥によって身近になった岡山弁は「クセがすごい」面白い方言です。ぜひ岡山を訪れて、この岡山弁一覧に載っている言葉をネイティブの発音で聞いてみてくださいね。