ズーズー弁とは、主に東北地方で使われる方言の俗称のことです。
聞いたことはあるけれど、「どんな方言なのだろう?」と疑問に思う方も多いかもしれません。
この記事ではズーズー弁の特徴や言葉・語尾などを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
1.ズーズー弁とは?
ズーズー弁とは、「東北方言の俗称」です。
下記のような広い範囲で使われている方言で、地域によっても多少言葉の違いがあります。
- 青森県
- 福島県北部
- 新潟県の東北地方
- 北海道沿岸部
- 富山県中東部
- 山陰地方中部
など
特徴は、「し」と「す」・「ち」と「つ」・「じ」と「ず」・「ぢ」と「づ」などに区別がない「一つ仮名弁」が使われることです。
例えば、「すし」が「すす」と聞こえたり、「チーズ」が「ツーヅ」と聞こえたりしますよ!
ズーズー弁が使われている地域は「冬の寒さが厳しい場所」で、冬は積雪量が多い地域ばかりです。
そのため口をなるべく開かないような話し方で、「発音の負担を軽減」されていたり、「言葉が短縮」されていたりすることがあります。中には、「め(=美味しい)」など一文字で意味表す方言もあります。
またズーズー弁は、全体的に訛りも強く言葉の区切りが分からないような話し方をするため、方言が分からない人にとっては難しいイメージを持たれやすいでしょう。
2.ズーズー弁って差別なの?
よく聞く「ズーズー弁」ですが、使われている地域の人にとっては差別のように感じる場合もあるようです。
ズーズー弁は、東北地方などで使われる方言をまとめた呼び名ですが、本来はそれぞれ「仙台弁」「津軽弁」などの正式名称があります。
もしも東北地方の方にあった時は、地域が入った「(地域名)弁」の言い方のほうが良いかもしれませんね!
3.ズーズー弁一覧
ズーズー弁で使われている単語を一覧にしてご紹介します!
ズーズー弁の単語 | 意味 |
あんこ | 脳みそ |
いきなり | いきなり |
いっぺ | いっぱい |
け | 食べなさい |
ごしゃかれる | 怒られる |
しばれる | 寒い |
な | あなた |
なってらった | なってしまった |
ね | 何もない |
ぶんず | 青あざ |
め | 美味しい |
めんこい | かわいい |
わ | 私 |
んだず・んだっし | そうだよ |
ズーズー弁で使われている語尾を一覧にしてご紹介します!
ズーズー弁の語尾 | 意味 |
~がんす | ~です |
~けろ | ~してください |
~だっぺ | ~でしょ |
~だっちゃ | ~だす |
~べ | ~でしょう |
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4.ズーズー弁の例文
ズーズー弁は東北あたりの地域で使われている方言の俗称ですが、地域によって話し方が異なります。
ここでは、「宮城弁」「出雲弁」「山形弁」「岩手弁」で使われるズーズー弁一覧をご紹介します!
4−1.ズーズー弁宮城
まずは、「仙台弁」と言われることも多い宮城の方言をご紹介します。
イントネーションやアクセントが比較的なだらかな宮城の方言。しかし、語尾に向かって抑揚があることと濁音が多いことから強い印象を感じることも多い方言です。
宮城弁:使った茶碗はうるかしといて
標準語:使った茶碗は水に浸しておいて
「うるかす」とは、「水に浸す」という意味の方言です。東北地方や北海道など広い地域で使われることが多いですよ。食器などの他には、お米をうるかすという使われ方もします。
宮城の方言は、語尾が特徴的で「だっちゃ」というかわいい方言が使われます。「~です」という意味で使われますが、相槌としてのだっちゃは、「そうだよ」という意味で使われます。
また、「だからー(=そうだよね)」という方言も有名です!
4−2.ズーズー弁出雲
島根県の東部の「旧出雲国」で使われている方言で、西のズーズー弁とも言われています。島根県では、「出雲弁」の他に「石見弁」「隠岐弁」が使われていますよ。
主な特徴としては、言葉の短縮や「i」「u」を発音しないことです。短い言葉だと、一文字の単語もあります。
古事記や日本書記など、古代日本語から継承された言葉が多いことも大きな特徴です。
出雲弁:きしゃがわるいけんえのーわ!
標準語:気分が悪いから帰るわ!
きしゃと聞くと、「汽車?記者?」など他の意味が浮かびますが、出雲弁では「気分」という意味で使われます。
出雲弁では、「そぎゃん」(=そんなに)や「さなんかね」(=それはなんですか)などが定番で使われるので、島根県の東部へ行くとよく聞くことができるかもしれませんね。
また、「だんだん」(=ありがとう)という言葉もよく使われますので、覚えておくと便利ですよ!
4−3.ズーズー弁山形
山形弁は、イントネーションの上下が少なく淡々した話し方が特徴です。
基本的に敬語はないのですが、語尾に「す」とつけて丁寧語のように使われます。一般的には、「です」や「ます」が変化したと言われていますよ。
山形弁:わらわらたね持ってきてけろ
標準語:急いで電池持ってきてちょうだい
山形弁では、「電池」をたねと言います。植物の種もたねと言うので、紛らわしいかもしれませんね。
「けろ」という語尾で、「~してください」と意味で使われています。
山形弁では、「どだなだず!(=どんなだよ)」という方言をツッコミとして使うことが定番!また、女性が自分のことを「おれ」と呼ぶ姿も多く見られますよ。
4−4.ズーズー弁岩手
NHK連続テレビ小説の「あまちゃん」で方言が使われていた「岩手弁」。
「じぇじぇじぇ!」(=そんなバカな!)は流行語大賞として選ばれたことで、全国的に有名になりましたね。ちなみに、じぇの回数で驚きの度合いを表すというユニークな方言です。
岩手弁の特徴は、語尾にアクセントがあることと濁音が多いことです。
岩手弁:あのはなん、明日ピアノの発表会ではっかはっかする
標準語:あのね、明日ピアノの発表会でドキドキする
岩手弁では、「~ね」は、「はなん」と使われることが多いです。はっかはっかするという言葉は聞き慣れませんが、「ドキドキする・緊張する」という言葉として使われますよ。
岩手弁には面白い語尾も多く、「~がんす」をつけると「ですます」という丁寧語になります。「おはようがんす(=おはようございます)」や「おばんでがんす(=こんばんは)」など、がんすをつけることで丁寧な挨拶となります。
岩手弁の定番として、「お静かに」という方言がありますが、「さようなら」という意味です。「お静かにご油断なく」は、気を付けてお帰りくださいという意味。独特な面白い表現が多いことも岩手弁の特徴ですね。
5.ズーズー弁フランス語
ズーズー弁の中でも特徴的だと言われている「津軽弁」は、青森県の津軽地方で使われる方言です。
特徴としては、助詞の「さ」が多用されていることと、言葉や文章が短いことです。中でも、「どさ(=どこに行くの?)」「ゆさ(=温泉にいきます)」は有名ですよね。
そんな津軽弁は、話し方や難解な方言から「フランス語」のようだとも言われています。
昔、「トヨタ パッソ」のCMで津軽弁がフランス語のように使用されていて話題になっていました。
津軽地方の人しか分からない難しい方言が、「海外の言葉」に聞こえる理由かもしれませんね。
6.ズーズー弁まとめ
ズーズー弁の特徴や例文をご紹介しました。
寒い地域で話される方言は、標準語との違いも多くてとても面白いですよね!訛りも強く難しいイメージがありますが、1つひとつの単語を知るとどんどん知りたくなる魅力的な方言ばかりです。
「ズーズー弁」と呼ばれる東北地方の方言は、ドラマや映画などでも使われていることが多いので気になる方は見てみてください!
また、東北地方に行く機会がありましたらぜひ参考にしてみてくださいね。
宮崎じゃなくて宮城な
コメントありがとうございます。修正しました