茨城弁ならではの言葉を、茨城弁一覧にして紹介します!
茨城弁には、抑揚があまりなく、語尾が上がる尻上がり口調、そして早口という特徴があります。
茨城弁を知らないで聞くと、その口調の勢いやスピードから「怒っているのかな」「喧嘩を売られているのかな」とびっくりする可能性があるでしょう。
語尾には、「〜だっぺ」や「〜け」などユーモラスなリズムを持つ言葉がつくのも特徴です。
この茨城弁一覧の記事で分かること
- よく使われる茨城弁の意味と使い方
- 茨城弁の特徴的な語尾
50音順の茨城弁一覧になっていますので、気になる単語から見ることも可能です!
目次
茨城弁あ行一覧
茨城弁 | 意味 |
あおなじみ | 青あざ |
あっぱとっぱ | あたふたする、慌てる |
あるってく | 歩いて行く |
いがい(えがい)、いげー(えげー) | 大きい |
いじあける、いじやける | イライラする、腹が立つ |
あおなじみ
ぶつけるなどしてできた赤黒い内出血(青あざ)を表す茨城弁です。
ちなみにその色のことを「ぶんず色」といいます。
すっころんで青なじみになっちった
(転んで青あざになっちゃった)
あっぱとっぱ
「あたふたする」「慌てる」という意味の茨城弁です。
茨城弁の言葉には「っ」が多用されるので、独特のリズムがあり、どこかユーモラスな印象になりますね。
びっくりしてあっぱとっぱしちった
(びっくりしてあたふたしてしまった)
あるってく
「歩いて行く」を茨城弁では「あるってく」と言います。
意味は通じても、独特のリズムに違和感があるのか、他県民に怪訝な顔をされた経験をもつ茨城県民も多いはず。
そしてこれを標準語と信じて疑わない人もまた多いでしょう。
天気もいいがら、駅まで歩ってくべよ
(天気もいいから、駅まで歩いて行くよ)
いがい(えがい)、いげー(えげー)
「大きい」「でかい」という意味の茨城弁です。
茨城弁は話し言葉だと「い」と「え」の区別がはっきりしないので、書き起こすときにどちらにするかの判断はとても難しくなります。
ちなみに「い」と「え」が続くと「えー」となるので「家」は「えー」となります。
いげーえーだな
(大きい家ですね)
いじあける、いじやける、いじゃける
イライラしてじれったく思ったり、腹立たしい気持ちを表す茨城弁です。
この瓶の蓋が開がねでいじやげっちゃーべよ
(この瓶の蓋が開かないのでイライラするよ)
茨城弁か行一覧
茨城弁 | 意味 |
かっぽる | 捨てる |
きない、きねー | 来ない |
こむ | 取り込む |
こわい | とても疲れた |
ごじゃっぺ | いい加減 |
かっぽる
「放る(ほおる)」に強調の「かっ」がついて変化した茨城弁です。
茨城弁には「かっ」がついた言葉は「かっくらかす(ゲンコツする)」「かっちばる(縛る)」「かっぱぐ(剝ぐ)」など多数あります。
少し荒っぽい印象になりますね。
そんないしけーの、かっぽっちまえ
(そんなボロボロのもの、捨ててしまえ)
きない、きねー
標準語の「来ない(こない)」は、茨城弁では「きない(きねー)」と発音します。
「来る(くる)」も茨城の一部地域では「きる」と発音するようです。
この発音だと「着る」「切る」と勘違いして、いつの間にか話が食い違ってしまいそうですね。
もう時間だげど、あの人はきねーな。
(もう時間だけど、あの人は来ないね)
こむ
干してある布団や洗濯物を取り込むことを、茨城弁では「こむ」と言います。
茨城では「あるってく」と並び、標準語だと信じられている言葉です。
「こむ」が茨城弁だと知らない人がいたら「もしもし、それは方言だよ」とそっと教えてあげてください。
雨降ってきたがら、洗濯物こんどいて
(雨が降ってきたから、洗濯物を取り込んでおいて)
こわい
「疲れた」「しんどい」という意味の茨城弁です。
北海道などでも同じ言い方をしますね。
ちなみに恐怖を表す「怖い」は「おっかない」と言います。
こわいがら早ぐ寝るべ
(疲れたから早く寝よう)
ごじゃっぺ
茨城弁を代表する言葉と言ってもいいほど有名な「ごじゃっぺ」。
茨城弁グッズには必ず載っていますし、お店の名前にもよく使われています。
いい加減、でたらめの他、理解不能、意味不明などのニュアンスが込められています。
このごじゃっぺが!かっくらかすぞ!!
(このろくでなしが!ゲンコツするぞ!!)
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茨城弁さ行一覧
茨城弁 | 意味 |
しみじみ | しっかり |
しゃああんめ | 仕方ない |
しゃで | 弟 |
するびく、すりびく | 引きずる |
しみじみ
標準語で「しみじみ」とは心から感じる様子を表しますが、茨城弁では「気持ちを入れる」「しっかりする」という意味です。
そして多くの場合、親や先生に叱られるシーンで使用されるので、怒り口調、命令口調で発せられる言葉です。
茨城弁を知らなければ「どうしてしみじみするのを強制されなければいけないの??」と感じてしまうのではないでしょうか。
「しみじみしない」は「しっかりしていない」という意味です。
さぼってねーで、もっとしみじみやれ!
(さぼっていないで、もっと気持ちを入れてやりなさい)
しゃああんめ
「仕方ない」「他にどうしようもない」というニュアンスを表す茨城弁です。
「あんめ」は「ないだろう」という意味です。
実際の会話では「しゃーんめ」くらいに聞こえます。
そうだごど言ってもしゃああんめい。
(そんなこと言っても仕方ない)
しゃで
「弟」という意味の茨城弁です。
ちなみに兄は「せな」、兄弟は「きょーでー」と言います。
おれげのしゃでは、でれすけでだめだ
(私の家の弟は、要領が悪くてだめだ)
するびく、すりびく
ずるずると床や地面に触れながら引きずる意味の茨城弁です。
標準語の「引きずる」よりもどんな状況かイメージしやすい気がしますね。
あの子、床にすりびくぐれえなげースカートを穿いてたよ
(あの子、床に引きずるくらい長いスカートを穿いていたよ)
茨城弁た行一覧
茨城弁 | 意味 |
たごまる、たぐまる | こんがらかる、からまる |
だいじ | 大丈夫 |
ちっと、ちんと | ちょっと |
でえご | 大根 |
たごまる、たぐまる
布などがくしゃくしゃになった状態や、服のごわごわした感じを表す茨城弁です。
なんとなくしっくりこない、居心地の悪い感じを表す言葉です。
ズボンの中でシャッツがたごまっていで、気になっちまう。
(ズボンの中でシャツがくしゃくしゃになっていて、気になってしまう)
だいじ
茨城弁の「だいじ」は「大丈夫」という意味です。
「だいじぶ」「でーじょーぶ」など、標準語の「大丈夫」と近い表現をする地域や世代もあります。
この前の大雨、だいじげ?(この前の大雨、大丈夫だった?)
だいじ、だいじ(大丈夫だったよ)
ちっと、ちんと
「ちょっと」「少し」といういう意味の茨城弁です。
「ち」が濁り「ぢっと」となることもあります。
ちっとそごまで行ってぎます
(ちょっとそこまで行ってきます)
でいご
茨城弁で「大根」のことです。
「だいこん」→「でえこん」→「でえご」と変化したのかなと想像できますね。
ちなみにお味噌汁は「おつけ」、お味噌汁の具は「おつけのみ=(実)」です。
たぐさんもらったがら、おつけのみはでえごにしたよ
(たくさんもらったから、味噌汁の具は大根にしたよ)
茨城弁な行一覧
なめっこい、のめこい | なめらかな |
なんちゃない、なんちゃねー | なんていうことはない |
ぬるっこい | ぬるい |
なめっこい、のめこい
なめらかな様子を表すほか、「ぬるぬるする」「柔らかな」という意味もある茨城弁です。
「ぬるっこい(ぬるい)」と意味を混同しやすい言葉ですね。
ちなみに暖かいを意味する「ぬくとい(のっこい)」という言葉もあり、茨城弁の「な行」はややこしい印象です。
おらあ、このタオルのなめこい肌触りが気に入りました
(私はこのタオルの滑らかな肌触りが気に入りました)
なんちゃない、なんちゃねー
「なんということもない」「取り立てて言うほどのことではない」という意味の茨城弁です。
なんちゃの後に「かんげ(考え)」と入れると「なんちゃかんげない(大した考えも持っていない)」という意味になります。
こう聞くと「なんの関係もない」と誤解してしまいそうですね。
それぐれーなんちゃねーよ
(それぐらいどうってことないよ)
ぬるっこい
前述した「なめっこい」と混同しやすい茨城弁です。
ぬるぬるしているのが「なめっこい」、適温よりも低いことを表すのが「ぬるっこい」です。
このなめごのおつけ、なめっこくてうめえんだげどちっとぬるっこいな
(このなめこのお味噌汁、ぬるぬるしていて美味しいんだけど、ちょっとぬるいな)
茨城弁は行一覧
茨城弁 | 意味 |
ばっち | 末っ子 |
ひやす | 水につけておく |
ぶすくれる | ふてくされる |
ぶんずいろ | 青あざができた時のような色 |
ばっち
茨城弁で末っ子のこと。
標準語の「末子(ばっし)」が訛ったのではないかと言われています。
「ばっちこ(末っ子)」とも言い、「ばっち息子(末の息子)」「ばっち娘(末の娘)」のようにも使います。
あそごん家のばっちは、東京で働いているんだど
(あの家の末っ子は、東京で働いているんだって)
ひやす(冷やす)
食後の食器は、水につけておけば洗うのが楽になりますよね。
茨城弁で「ひやす」とは、お皿などを「水にひたす、つけておく」という意味で使われます。
でも茨城弁を知らない人が急に言われたら「冷やすって冷蔵庫で?お皿を??」とびっくりしてしまいますよね。
このお茶碗、ひやしといて
(このお茶碗、水につけておいて)
ぶすくれる
「へそを曲げている」「すねている」という意味の茨城弁です。
「ぶすっとしている」という言い方は標準語でもしますよね。
こんなことを言われないように、いつもニコニコしていたいものです。
名詞形は「ぶすくれ」となり、「無愛想」という意味になります。
あの子はすぐにぶすくれる
(あの子はすぐにふてくされる)
ぶんずいろ
青あざができた時の、どす黒い紫のような色を表す茨城弁です。
鈍い痛みをイメージさせるような言葉ですね。
おめ、ひざぶんずいろになってっと
(あなた、膝が紫色になっていますよ)
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茨城弁ま行一覧
茨城弁 | 意味 |
まえて | 手前 |
まめする、人まめする | 人見知りする |
めど | 穴 |
もやっぽい、もやい | ダサい |
まえて
標準語の漢字の前後が逆になった茨城弁です。
「寿司」を「シースー」と言う人がいるのと同じでしょうか(…違いますね)。
まえての角を曲がってぐだせえ
(手前の角を曲がってください)
まめする、人まめする
茨城弁では「まめ」に「人見知り」という意味があるんですね。
「まめしない(ひとまめしない)」で「人見知りしない」という意味になります。
あのあまっこ、まめしてべそかえでるわ
(あの女の子、人見知りして泣いているよ)
めど
茨城弁で「めど」とは穴のことを言います。
小さい穴のことを「めどっこ」と言う場合もあります。
針のめどさ糸を入れるのが大変だった
(針の穴に糸を入れるのが大変だった)
もやっぽい、もやい
「ちょっと一緒に歩きたくないな」と思うような格好を表す茨城弁です。
ちなみに標準語の「シャツ」は、茨城弁ではテーシャッツ(Tシャツ)、ワイシャッツ(Yシャツ)など「ッ」が余計に入って発音されます。
そのもやっぽいシャッツ、今すぐとっけえでぎで
(そのダサいシャツ、今すぐ着替えてきて)
茨城弁や行一覧
茨城弁 | 意味 |
やっこい | やわらかい |
やろっこ | 男の子 |
やっこい
「やーこい」「やっけ」と言うこともある、柔らかな状態を表す茨城弁です。
このパンはやっこくて、とでもうめぇなぁ
(このパンは柔らかくて、とても美味しいなぁ)
やろっこ
茨城弁で「男の子」という意味です。
ちなみに男の人は「っこ」が外れて「やろ」、女の子は「あまっこ」と言います。
あのやろっこ、えがぐなったなぁ
(あの男の子、大きくなったなぁ)
茨城弁ら行一覧
茨城弁 | 意味 |
らいさま | 雷 |
ろっこく | 国道6号線 |
らいさま
標準語でも雷のことを「かみなりさま」と言いますが、茨城弁では音読みして「らいさま」と呼ぶんですね。
雷を怖いものとして考えず、親しみを込めて呼んでいるようなイメージですね。
雷さまくっがら、はやぐ洗濯物こまねーと
(雷雨になるから、早く洗濯物を取り込まないと)
ろっこく
東京・日本橋を起点として千葉、茨城、福島を経て、宮城・仙台市に至る国道6号線のことを、茨城の人は「ろっこく」と親しみを込めて呼んでいます。
県道6号と区別するための呼び方ともいわれています。
「ろっこく」は茨城弁ではありませんが、その地域特有の言い方、呼び方ですから、方言として掲載しました。
ろっこく沿いにできた新しい店さ行かねぇが?
(国道6号線沿いにできた新しい店に行かない?)
茨城弁の特徴的な語尾一覧
茨城弁 | 意味 |
~っぺ、~へ | ~だろう、~しよう、~しませんか? |
~でしょうよ | 丁寧な文末表現 |
~け | ~ですか? |
~め | 生き物につける接尾語 |
~っぺ、~へ
「〜っぺ」「〜べ」は茨城弁の印象を決定づける語尾、文末表現です。
- 推測(~だろう、~でしょう)
- 意思(~しよう)
- 勧誘(~しませんか?)
など複数の意味があり、イントネーションや文脈で判断します。
- そうだっぺ (そうだろう)
- いぐべ (行こう)
- いってんべ (行ってみよう)
- なじょんしたらいがっぺ (どうしたらいいだろう)
- えがっぺよべつに? (いいじゃないですか別に)
~でしょうよ
その昔は女言葉と言われていたようですが、今は男女とも使う『~でしょうよ』。
茨城弁では『~だっぺ』などに比べて、すこし柔らかい言い方とされています。
例えば、家族には『だっぺ』を使うけれど、お客さまには『でしょうよ』を使うようなイメージです。
- そうだっぺ → そうでしょうよ
- いがっぺ → いいでしょうよ
ただ、標準語においての『~でしょうよ』にはやや非難めいたニュアンスがあることと、茨城弁の言葉の速さ、強さが相まって、丁寧な印象には受け取ってもらえない可能性がありますね。
茨城さ行ったらわかるでしょうよ。
(茨城に行ったらわかるでしょう)
~け、~げ
語尾に「~け」「~げ」がつくと茨城弁の疑問文となります。
茨城弁は語尾、文末が上がりがちなので、不慣れな方であれば、すべてが疑問文に聞こえてしまうかもしれません。
- そうけ? (そうなの?)
- おめのけ? (あなたのですか?)
- あっけ?/あんめ (ありますか?/ありません)
~め
茨城弁で、生き物を表現するときには、語尾に「め」をつけて呼ぶことが多いです。
人間に使う場合もあります。
さげすむ言い方であるという見方もありますが、多くの人が日常会話で気軽に使っているので、それほど深い意味はなさそうです。
- 犬 → いぬめ
- 猫 → ねごめ
- カエル → けーるめ
- ハエ → はえめ、へんめ、へーめ
- 蚊 → かんめ、かあめ、かめ
- 亀 → かめのごめ
- 野郎 → やろめ
- 子供 → がきめ
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茨城弁は文字ではその魅力を伝えきれません。ぜひ茨城を訪れて、この茨城弁一覧に載っている言葉を、ネイティブの発音で聞いてみてくださいね。