静岡県ならではの魅力を、静岡県の方言一覧にして紹介します!
東部・中部・西部・井川の4つの地方で方言が分かれている静岡県。
大きく違いがあるのは、勧誘「~しましょう」の表現です。
例えば「行きましょう」は東部では「行くべー」、中部だと「行かず」「行かずか」「行かざー」、西部では「行かまいか」など、地域によって違う表現を使うのが興味深いですね。
また、静岡県の方言には同じ言葉でも数種類の意味を持つものが多くあります。
そのため、他県の人にはなかなか解読できない言葉が多いのも特徴的です。
「ない」を「にゃー」と言うことや、小さい「ゃ」を付けることが多いこともあり、にゃーにゃー弁とも呼ばれています。
おつりのことを「おかえり」と言ったり、草履やサンダルのことを「じょんじょん」と言ったり、独特な言い方も面白いですね。
日常会話でよく使う方言や、複数の意味がある言葉も詳しくお伝えしますので、面白い静岡県の方言を、ぜひご覧ください。
この静岡県の方言一覧の記事で分かること
- よく使われる静岡県の方言の意味と使い方
- 静岡県の方言の特徴的な語尾
50音順の静岡県方言一覧になっていますので、気になる単語から見ることも可能です!
目次
静岡県の方言一覧あ行
静岡県の方言単語 | 意味 |
うっちゃる | 捨てる/放り投げる/放置する |
えらい | 大変な/たくさん/辛い・苦しい |
おえる・おやす | 終わる/壊す・だめになる |
おとましー | 見苦しい/辛い・気の毒な/うっとうしい・危なっかしい |
うっちゃる
「捨てる」という意味の静岡県の方言です。
「放り投げる」「放置する」という意味もあります。
意味が似てはいますが、シチュエーションによって違う意味に捉えてしまうこともありそうな、難しい表現ですね
うちのことはもううっちゃっておいて!
(私のことはもう放っておいて!)
※このような時は「捨てておいて」という意味にはならないので注意
えらい
こちらの言葉が持つ意味も1つではありません。
「大変な」「たくさん」「辛い・苦しい」の3つの意味を持つ静岡県の方言です。
西日本で「えらい」は「辛い」の意味で使われることが多いですが、静岡では仕事や勉強が大変な場合や、物がたくさんある場合にも「えらい」を使いますよ。
お盆休みだったで、観光地にはえらい人がいて混雑してたよ。
(お盆休みだったから、観光地にはたくさん人がいて混雑していたよ。)
※このような時は「辛い」という意味にならないので注意
おえる・おやす
「終わる」と「壊す」という2つの意味を持つ静岡県の方言です。
「終わる」はなんとなく意味が分かりますが、「壊す」の意味を持つとは考えにくいですよね。
「役割を終える」と考えると「壊す」の意味も覚えられそうです。
夏休みにおばあちゃんからおもちゃをもらったんだけえが、もうおやしちゃった。
(夏休みにおばあちゃんからおもちゃをもらったんだけど、もう壊してしまった。)
※このような時は「終わる」という意味にはならないので注意
おとましー
こちらも3つの意味で使われます。
「見苦しい」「辛い・気の毒な」「うっとうしい・危なっかしい」という意味の静岡県の方言です。
「おとましー」と言われても「音がまし?音程合ってなかった?」と思ってしまいそうな、意味の分かりにくい言葉ですね。
あの子はいつもひとりで行動してるで、本当に危おとましくて見ていられにゃーよ。
(あの子はいつもひとりで行動しているから、本当に危なっかしくて見ていられないよ。)
静岡県の方言一覧か行
静岡県の方言単語 | 意味 |
かたす | 仲間に入れる・まぜる |
くすがる | 刺さる |
ぐれる | 捻挫する |
けっこい | きれい |
かたす
「片付ける」という意味ではありません。
「仲間に入れる」「まぜる」という意味の静岡県の方言です。
「かてる」とも言います。
静岡弁の中でも伝わりにくい言葉ですが、よく使われる方言なのでぜひ覚えておきましょう。
明日みんなで集まって遊ぶなら、うちもかたしてほしいな。
(明日みんなで集まって遊ぶなら、私も仲間に入れてほしいな。)
くすがる
静岡県では日常会話でもよく使われるため、方言だと思われていない言葉です。
「刺さる」という意味を持ちます。
「くすぐったい」と勘違いしそうな言葉ですね。
薔薇のとげがくすがると、後から抜くのが大変じゃん。
(薔薇のとげが刺さると、後から抜くのが大変なんです。)
ぐれる
「捻挫する」「足をくじく」という意味の静岡県の方言です。
標準語と同じように「不良になる」という意味でも「ぐれる」を使うため、こちらも2つの意味を持つ言葉になりますね。
「ねじる」「ひねる」意味でも使われますよ。
体育の跳び箱の授業で、着地の時に足がぐぎっといってぐらしちゃった。
(体育の跳び箱の授業で足がぐぎっといって捻挫してしまった。)
けっこい
「きれい」という意味の静岡県の方言です。
「かわいい」「美しい」という意味でも使われる誉め言葉ですね。
静岡に行って素敵な人を見つけたら、ぜひ「けっこい」を使ってみましょう。
あんなにけっこい人は初めて見たでびっくりしたじゃんね。
(あんなにきれいな人は初めて見たのでびっくりしたんです。)
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静岡県の方言一覧さ行
静岡県の方言単語 | 意味 |
しょろしょろ | ぐずぐず・のろのろ |
しょんない | 仕方がない・しょうがない |
ずない | 強い・丈夫だ/気が強い/賢い |
そらーつかう | とぼける・知らないふりをする |
しょろしょろ
「ぐずぐず」「のろのろ」という意味の静岡県の方言です。
水が流れている音のように聞こえますが、静岡では動作が遅いことを表します。
面白い表現なので、使いたくなってしまいますね。
しょろしょろしていにゃーで、早く宿題を終わらせちゃいなせゃー!
(ぐずぐずしていないで、早く宿題を終わらせてしまいなさい!)
しょんない
「仕方がない」という意味の静岡県の方言です。
関西で使われる「しょうもない」は「つまらない・面白くない」という意味ですが、静岡の「しょんない」になると意味が違ってきます。
「しょうがない」が略されたような言葉なので、比較的覚えやすい方言ですね。
風邪で休んでたなら、課題が終わっていなくてもしょんにゃーか。
(風邪で休んでいたなら、課題が終わっていなくても仕方がないか。)
ずない
3つの意味を持つ静岡県の方言です。
「強い・丈夫だ」「気が強い」「賢い」を意味します。
言葉から意味を想像しにくく、さらに3つも意味があると、他県の人は混乱してしまいそうですね。
何度も確かめたけえが、この椅子はがんこずない。
(何度も確かめたけれど、この椅子はかなり丈夫だ。)
※このような時は「気が強い」「賢い」という意味にはならないので注意
そらーつかう
漢字で書くと「空を使う」となります。
「とぼける」「知らないふりをする」という、嘘をつく意味を持つ静岡県の方言です。
平安時代に「嘘」という意味で「空事」という言葉が使われていたり、「空嘘」という「真っ赤な嘘」という言葉があったり、「空」と「嘘」は深い関係がある言葉です。
そらーつかわなくても、もうバレてるんだで、正直に話しなせゃー。
(知らないふりをしなくても、もうバレているんだから、正直に話しなさい。)
静岡県の方言一覧た行
静岡県の方言単語 | 意味 |
たこる | さぼる(中・東部) |
~だもんで | ~だから |
ちんぶりかえる | 怒ってふてくされる |
とぶ | 急ぐ・走る |
たこる
たこがいるわけではありません。
静岡県では「さぼる」という意味で使われます。
テレビ大阪のマスコットキャラクターに「たこるくん」という可愛らしいキャラクターがいますが、たこやきのマスコットなので、静岡とは無関係のようです。
今日は暑くてかったるいで、みんなで授業をたこらざぁ。
(今日は暑くてかったるいから、みんなで授業をさぼりましょう。)
~だもんで
静岡県では有名な方言です。
「~だから」という接続詞ではありますが、文頭に置いて使うこともあります。
物事を説明する時に「~だもんで」と言われると、可愛らしくて少し気が抜けてしまいそうですね。
今日は暑かったなあ。だもんで、涼しい部屋でかき氷食べてゃーな。
(今日は暑かったなあ。だから、涼しい部屋でかき氷食べたいな。)
ちんぶりかえる
「ふてくされる」という意味の静岡県の方言です。
関西方面では「はぶてる」と言いますが、静岡では「ちんぶりかえる」となんとも可愛らしい表現を使います。
ふてくされると周りを困らせてしまいますが、ふてくされたくなってしまう不思議な魅力がある言葉ですね。
彼に注意したら図星だったみてゃーで、ちんぶりきゃーちゃったよ。
(彼に注意したら図星だったみたいで、ふてくされてしまったよ。)
とぶ
ジャンプするという意味ではありません。
「急いで走る・駆ける」という意味の静岡県の方言で、長野県でも使われています。
遅刻しそうな時に急いで走って学校へ向かう時は「学校へとぶ」と表現しますよ。
夏休みは毎朝5時に起きてとぶことにしたじゃんね。
(夏休みは毎朝5時に起きて走ることにしたんだよ。)
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静岡県の方言一覧な行
静岡県の方言単語 | 意味 |
なりき | 無作法・粗雑・おおざっぱ(中・西部) |
ぬくとい | あたたかい |
のっくむ | 飲み込む |
なりき
「無作法」「おおざっぱ」であることを表します。
「生り木」と書くと「果実のなる木」のことを示しますが、静岡では物事の扱い方が丁寧でない様子を意味して使いますよ。
あの人は悪い人ではにゃーんだけえが、仕事がなりきなんだよなあ。
(あの人は悪い人ではないんだけど、仕事がおおざっぱなんだよ。)
ぬくとい
「あたたかい」という意味の静岡県の方言です。
「温まる」を「ぬくまる」と読むことから来ている言葉ですね。
西日本では同じ意味で「ぬくい」を使いますが、静岡では「ぬくとい」になるので、ぜひ覚えておきましょう。
えりゃー時はぬくといお風呂に浸かってゆっくりしてくだせゃーね。
(疲れた時はあたたかいお風呂に浸かってゆっくりしてくださいね。)
のっくむ
「飲み込む」という意味の静岡県の方言です。
「飲み込む」と似ている表現なので、なんとなく意味は分かりそうですね。
日常会話でよく使われる言葉なので、静岡県民が方言だと思っていなかったと驚く言葉のひとつです。
もう出かけるんだで、朝ごはん早くのっくんで支度して!
(もう出かけるんだから、朝ごはん早く飲み込んで支度して!)
静岡県の方言一覧は行
静岡県の方言単語 | 意味 |
ばか | とても・すごく |
ばった | 確保した・押さえた |
ぶしょったい | 不潔だ・だらしない |
ぶそくる・ぶそくなる | 不機嫌になる(中・西部) |
ばか
「とても」「すごく」という強調の意味で使われる静岡県の方言です。
「馬鹿」という意味ではありませんが、急に「ばか」と言われると驚いてしまいそうですね。
標準語でも「ばかでかい」を「並外れて大きい」という意味で使うことがあるので、同じようなニュアンスで考えると分かりやすいですね。
うちはアニメがばか好きだで、オススメのアニメを教えてくだせゃー。
(私はアニメがすごく好きなので、オススメのアニメを教えてください。)
ばった
「確保した」という意味の静岡県の方言で「バッチ」とも言います。
チケットを確保した、場所を押さえた、などの「取れた」意味と、「自分のものにした」という意味で使われます。
「こればった!」と言うと「これ俺のもの!」になりますよ。
昆虫の「バッタ」を想像してしまいそうです。
花火大会のために昼から河川敷に行って場所ばったっけよ!
(花火大会のために昼から河川敷に行って場所確保したよ!)
ぶしょったい
「不潔だ」「だらしない」という意味の静岡県の方言です。
静岡県では良く使われる言葉ですが、他県の人には意味が通じない方言のひとつです。
風邪をひいて3日もお風呂にひゃーれにゃーっけで、ぶしょってーな。
(風邪をひいて3日もお風呂にはいれなかったから、不潔だな。)
ぶそくる・ぶそくなる
「不機嫌になる」という意味の静岡県の方言です。
「ブサイクになる」という言葉に似ているので、不機嫌でぶすっとしている顔を思い浮かべると、覚えやすそうです。
録画を頼まれてたのに忘れちゃったで、ぶそくなって部屋にこもっちゃったじゃんね。
(録画を頼まれていたのに忘れてしまったから、不機嫌になって部屋にこもっちゃったんだよ。)
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静岡県の方言一覧ま行
静岡県の方言単語 | 意味 |
まめったい | よく働く/達者だ |
もぞぐったい | 痛かゆい・くすぐったい |
まめったい
「よく働く」と「達者だ」という2つの意味を持つ静岡県の方言です。
「まめな人」の「まめ」は漢字で「忠実」と書きます。
「忠実」は真面目で誠実であることや、役に立つ様子のこと、また、体が丈夫で達者な様子のことなので、「まめったい」も同じ意味で使われますよ。
あの人はいつもまめったいで、本当に助かってるよ。
(あの人はいつも良く働くから、本当に助かっているよ。)
もぞぐったい
「くすぐったい」という意味の静岡県の方言です。
「痛痒い」という意味もあり、なんだかもぞもぞする感じを表現している言葉ですね。
ずっと正座してたで、足がしびれてもぞぐってゃーだに。
(ずっと正座してたから、足がしびれて痛痒いんだよ。)
静岡県の方言一覧や行
静岡県の方言単語 | 意味 |
やっきりする | 腹が立つ |
よせる | (洗濯物を)取り込む |
やっきりする
「腹が立つ」という意味の静岡県の方言です。
「イライラする」「悔しい」という意味でも使われます。
怒りを外にぶちまけるのではなく、外に出せない怒りでやきもきしているイメージです。
こんな世の中でしばらく旅行にも行けなくて、そろそろやっきりしてきた!
(こんな世の中でしばらく旅行にも行けなくて、そろそろ腹が立ってきた!)
よせる
洗濯ものを「取り込む」時に使われる静岡県の方言です。
「よせておいて!」と言われても「取り込む」と言われているとは思いにくいですね。
ベランダの隅っこに寄せてしまいそうです。
今日は帰りがしょろくなりそうだで、洗濯ものをよせてたたんでおいてくれる?
(今日は帰りが遅くなりそうだから、洗濯ものを取り込んで畳んでおいてくれる?)
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静岡県の方言の特徴的な語尾一覧
静岡県の方言語尾 | 意味 |
~ずら・~だら・~ら | ~だろう(推量) |
~だに | ~だよ |
~け・~け? | ~だった・~でしたか? |
ごー | ~してごらん |
~ずら・~だら・~ら
「~だろう」という推量の意味で使われる語尾です。
「~ずら」「~だら」「~ら」は主に現在のことを表し、「~しただろう」と過去のことを言う場合は「~つら」を使います。
「昔静岡に行っただろう」は「昔静岡に行っつら」になりますよ。
しぞーか県の方言は独特だで、他県の人にはきっとわかりにくいずら。
(静岡県の方言は独特だから、他県の人にはきっとわかりにくいだろう。)
~だに
「~だよ」という意味で使われる語尾です。
西部で使われることが多く、「~したんだよね」の意味では「~じゃんね」も使われます。
しぞーか県はお茶の生産量ランキング1位だに。
(静岡県はお茶の生産量ランキング1位だよ。)
~け・~け?
過去のことを話すときに使われます。
標準語で「あったっけ」だと「あったかな?」になりますが、静岡県では「ありましたか?」と「あったよね。」の両方の意味があるので、前後の文章に気を付けて聞いてみたい語尾ですね。
昔しぞーかのシャボテン公園にカピバラを見に行ったっけね。
(昔静岡のシャボテン公園にカピバラを見に行ったよね。)
~ごー
最近若者に人気の語尾が「してごらん」の意味で使われる「ごー」です。
「見てごー」「たべてごー」のように使われますよ。
しぞーかに来たらぜひ修善寺に参拝してごー。
(静岡に来たらぜひ修善寺に参拝してごらん。)
ひとつの言葉にいくつもの意味があるのが特徴的な静岡県の方言。東部や西部で違う方言を使うところも、とても興味深いですね。
静岡県に行くときは、独特な静岡県の方言を少しでもマスターして、ぜひ使ってみてくださいね。
静岡県はすごく素敵なところだよ。だから、次の休みはみんなで静岡に行きましょう!(しぞーか県はばか素敵なところだに。だもんで、次の休みはみんなでしぞーかに行かざぁ!)